オンラインミックス:サンプル①

🎙️ Sarah L-ee様



🗣️ お客様のコメント

150文字〜




🎛️ 主にやったこと

基本トリートメント・オートチューン・タイミング補正・手動ピッチ補正・ハモリ生成・楽曲構成変更・アレンジ




🧑‍💻 エンジニアのレポート

1 頂いたデータ(素材)の確認

頂いたデータは名前がわかりやすくついていて、DAWに並べると全体がパッと把握できてとても作業しやすかったです。ボーカルの音質は宅録ということでしたが、反響音もなく、きちんとした環境で録音できていてとても綺麗でした。若干の “こもり” はあったので、高域が抜けるようにあちゃこちゃしてサウンドに合うような質感にギリギリまでしました。(したつもりです!)ミックスは録音環境がすべて、と言えるほど大切なことなので、ご依頼いただく皆さまは、ぜひSarah L-ee様データを基準にしてもらえると良いのかなと思います🙇‍♂️


2 まず色々と決める

今回は「完全お任せ」という前提でしたので、アーティスト様がどんな完成イメージを持っているのかは当然わかりません。「機械感ガッツリ出しちゃっても良いのかな?いや、歌が上手な方だから生系でいこうかな?」「もらった素材は全部使ったほうがいいのかな?」「カバーだから原曲と同じにしたほうがいいのかな?」など、疑問がありました。

しかし!今回は “お任せ” なので、自分なりにベストに持っていくことだけを考えて好きにやることにしました。音の質感・補正具合・構成変更・アレンジやら、なんやらかんやら良い感じになるまでやっていたらミックスエンジニアの領域を超えてリミックス制作みたいなことをやっていました🙂💦色々な技があってこういうこともできます!というお客様へのサンプルにはなったかな思います。


3 使う素材を決める

全体的な完成系をイメージして、使う素材を選んでいきました。別録りした影響で繋がりに違和感がある部分や、ピッチやビブラートに違和感があって補正でうまく処理できなさそうな素材を分別しました。


4 素材のトリートメントをする

次に、素材のトリートメントをしました。小さなノイズの除去、こもりの除去。実は、実際のスタジオのボーカルブースで100万円するようなマイクで録るとトリートメント作業がわずかで済みます。わずかで済むと、こねくり回して音を劣化させなくて済みます。また、色んなエフェクトが綺麗にかかります。逆にマイクの性能が低ければ低いほど、トリートメントもエフェクト加工も難しくなっていきます。例えば、全く対策してない部屋でアップルイヤホンで録音したものだと結構厳しいです🙂💦少なくとも吸音材や格安のレンタルスタジオなどで録音環境を整えて、3万円前後のコンデンサーマイクで録音するとちゃんとした曲にできます!


5 補正をする

次に全体にナチュラルなピッチ補正をして下地を作りました。タイミング補正は大きく補正が必要な部分がなくて、部分的にビートのグルーブに合わせて補正するだけでした。イントロ頭のフェイクは、「耳あたり的にこっちのメロディのほうがいい気がするな〜」なんて勝手に判断してメロディをわずかに作り変えてました🙂💦ぜひ原曲と聴き比べてみてください!


6 エフェクトをかける

下地が完成したら、次にエフェクトをかけていきました。ここで楽曲の印象が一気に決まるので、色々なエフェクターでサウンドに合う雰囲気を模索しました。ただ、気をつけないといけないのは「何でもかければ良いってものではない」ってことです。誤魔化すためにかけるわけではなく、必要なものだけをかけます。どんな雰囲気にしようかな〜って考えながら、サビ・バース・フレーズごとに加工を変えてグループ分けをして、曲をキャッチーにさせる部分を作ったりもしました。例えば、この曲では、サビの「Right now, right now Baby, I don't care」というフレーズが核だなと思ったので、そこだけディストーションというジリジリラジオボイスをかけて、フレーズを切ってリズムをビートの跳ねる感じに合わせました。そこだけキャラを濃くすることで印象に引っかかる楽曲になると思いやりました💡


7 構成変更とアレンジをする

ここまで来ると、順番にというよりも色々と同時進行して、行ったり来たりを繰り返しながら作り込んでいきます。思いついたアイディアをどんどん落とし込んでいきます。結果的に、2回目のサビが終わったブリッジ部分に新たなボーカルチョップセクションを作ってしまいました🙂💦サビの素材を使ってボーカルチョップをして、なんか韓国 x LAみたいな雰囲気になって個性が出たのかな🇰🇷🇺🇸もはやリミックスみたいなものだから原曲と違うアレンジを加えないと気が済まなかったのです。。実際のオンラインミックスの時には、必要なら僕のアイディアも共有しながら一緒に進めていくこともできます!


8 完成に向けて

小数点単位のレベルを気にしつつ「音像はどうかな?」「耳あたり悪いところはないかな?」「変に聞こえるところはないかな?」と何回も聴き直して、色々ややこしい調整を繰り返しながら、全体的に楽しめれる楽曲になるように仕上げていきます⛰️


9 マスタリング

作り終え、今度はマスタリングをします。マスタリングコンプをかけてEQのミッドサイド処理、エキサイターやソフトクリップなど最小限の処理をしてレベルを揃えます。今回はインストがすでに処理されているものだったので、あまり二重がけにならないように最小限で。音圧も今はサブスクがメインで、そんなにマキシマイザーで音圧を上げなくても良い時代です。適切なレベルの2MIXを書き出して作業は終了です!


10 最後に

送っていただいたボーカルデータのように、アーティスト様が見やすいように各フェイル名をつけてフォルダにまとめて完成です!僕が直接LINEにお届けします💿
Sarah L-ee様、この度はオンラインミックス無料モニターにご応募いただきありがとうございました。